フロントリジット仕様について

今回新製品として発売するフロントワンウェイセットのリジット仕様について、解説しましょう。
昨年の1/8GPレ−シングの全日本選手権以降、テストを繰り返してきましたが、セットアップで注意するところがいくつかあります。

フロントワンウェイ仕様をリジット仕様に変更すると、
  ブレ−キが抜群に効くようになる(狭いコ−スでのストレ−ト後のヘアピンなどで非常に有効)
  ある程度のセットであれば、ワンウェイよりラップタイムを揃え易い。
  コ−ナ−出口でパワ−を早めに入れられる。
  他車との接近戦ではワンウェイよりも無理が効く。
などのメリットがあるようですが反面
  コ−ナ−の はいり が悪い。曲がらない。
  コ−ナ−で止まる。失速する。
  コ−ナ−リング後半でリヤのトラクションが急激に抜ける。(最初から巻く)
  ラップタイムが出ない。
  タイヤの減りが異常に早い。
と言ったような症状もリジットを試した方から聞きます。
デメリットに関しては、要はうまく曲がらないと言うことと、タイヤが減ると言うことになります。

今回テストしてきた中でこれらの症状がほとんど気にならず、ワンウェイ仕様とほぼ同じフィ−リングのまま、抜群のブレ−キングを可能にするセットアップを紹介していきましょう。


まずリヤのデフギヤですが、オイルは1万番かせいぜい2万番を使用します。リヤデフが硬いとスム−ズなコ−ナ−の はいり が得られません。フロントタイヤの硬度を柔らかいものにしたり、ダンパ−のセットやアライメントで曲がる方向にしてもリヤに安定したトラクションを得ることができなくなります。
私は0.8Mのデフギヤの小ベベルのOリングを抜いて、1万番のオイルを入れています。
柔らかいデフオイルはきちんとケ−スの容量分入れてください。少ない場合、コ−ナ−のオフからオンのつながりの動きがギクシャクする場合があります。

リヤスタビは機械式のアジャスタブルスタビを使用し、スタビバ−の角度は30〜45°ぐらいつけます。
コ−スによっては90°にする場合もあります。角度については使用するタイヤの硬度や種類、路面の状況によって変わります。ワンウェイ仕様と大きく異なるポイントの1つです。
アジャスタブルタイプのスタビは、マシンの反応がダイレクトになるのでリジット仕様に非常に有効です。

リヤのト−インは強めにつけます。数値では3〜4°(片側)になります。これはやわらかいデフと合わせて出てきたセッッティングで、デフを柔らかくするとコ−ナ−で止まらなくなりますが、グリップ感がなくなったり、限界が低くなります。これを強めのト−インで補っています。
あまりト−インが強いと抵抗になると思う方もいるかもしれませんが、実際にはそう影響ありません。

リヤのアッパ−ア−ムのナックル側のシムはゼロからセットしてください。コ−ナ−リング中のグリップ感が足りなければ、シムを追加していってください。
これらはすべてコ−ナ−のタ−ンインを鋭くするためと、止まらないようにするためのセットアップです。


フロントスタビも20〜45°ぐらいの角度を付けます。リジット仕様への変更はピンが片側に2本ずつ入る様になっていますが、強度的には片側1本で問題ありません。駆動方向はワンウェイベアリングがロックするのでピンにはほとんど負荷がかかりません。ピンに負荷がかかるのはブレ−キとコ−ナ−リング中の内輪差の抵抗になります。トラブルを回避する為の2本と考えてください。

その他の部分に関してはワンウェイ仕様の時と大きな変化はありません。ダンパ−のピストンやスプリングなどはワンウェイ仕様と同じです。写真はVoneRRRのものですが、MTX−4も同じ傾向です。


タイヤに関してはZACタイヤを使用していますが、フロントはAホイ−ル、リヤはBホイ−ルを使用しています。タイヤの銘柄やホイ−ルの違いによってマシンのセットアップは大きく異なる場合が多くありますので、参考にする場合には注意してください。


タイヤの減りに関しては、もともとナックが推奨しているセットアップは、硬度が硬めのタイヤでバランスを取っていくものでしたので、それほどひどくはありませんが、1/8レ−シングが走行するような高速型のサ−キットや路面の荒れているサ−キットでは、やはりワンウェイ仕様より磨耗が早くなります。
VoneRRRのセットアップシートはこちらから



今回紹介したセットアップ以外にフロントダンパ−とショックマウントを開発中です。ショックマウントはVoneRRR用とMTX−4用です。フロントダンパ−は従来品よりかなり短くなっています。
ダンパ−の容量と取り付け位置の変更により、素早い反応とスム−ズなコ−ナ−リングを可能にします。こちらは来月(2月)発売になります。ご期待ください。


昨年の12月に行われた千葉県のNEXTシリ−ズ最終戦ではMTX−4のリジット仕様で高橋選手が予選1位、川本選手が優勝しました。私はこのレ−スはワンウェイ仕様で出場しましたが、やられてしまいました。
その時の川本選手のセットアップはこちらから。